2010年6月21日月曜日

徒然0621

昨日のこと。

散歩から帰ってきた嫁の買い物袋の中には麦チョコが入っていた。基本的に高カロリーなチョコレート類は買わない人なので、どうしたのこれ?と問いかけると父の日のプレゼントよと返ってきた。

はいこれ、パパに渡してねと麦チョコを渡された娘は不思議そうに麦チョコを見つめた後、笑顔で麦チョコを振り鳴らし始めた。

ややおネム気味な娘の手はパン職人がうらやむほどの太陽の手になっており、ガンダムに例えるならば俺の子の手が真っ赤に燃える状態であり、娘がジャラジャラと袋を振るたびに中身が無惨に溶けたチョコレート色へと染まっていった。

試しに、頂戴?と言ってみたら予想外にすんなり手渡してくれたがそれは、お前も振れよ!ジャラジャラ鳴らせよ!という意味だったらしく受け取った僕の手から再び奪い取り、こうやるんだよと言わんばかりにジャラジャラ鳴らした後、また僕に手渡ししてきたので今度は僕もジャラジャラ鳴らした。同じやり取りが繰り返され、しばらく我が家は麦チョコのジャラジャラ音が鳴り響いた。


家族が寝静まった後、僕は冷蔵庫から取り出したクシャクシャの麦チョコを眺めていた。僕にとって父の日は全く縁のないイベントだった。そのせいか何月何日が父の日なのかも知らなかった。というよりも、テレビや広告で見かけても気に留めることがなかったのだ。そんな僕が初めて、父の日を実感している。それも親として。

しばらく感傷に浸った後、開封せずに再び麦チョコを冷蔵庫に仕舞った。
同時に、母の日に何もしなかったことを反省した。

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